三条特殊鋳工所は、鍛冶職人などの金属加工業が盛んな街、燕三条で鋳物の技術を60年にわたって高め続け、たくさんの鋳物製品を製造しています。
鉄にマグネシウムやカルシウムなどを添加して強度を増した「ダクタイル鋳鉄」の加工を得意としており、鋳物の部品やテーブルウェア製品を販売。
三条特殊鋳工所の商品は、今までの鋳物の概念を覆した、革新的でこだわり抜かれたものばかり。鋳物の価値や魅力を、鋳物業界の第一線で伝えています。
多くの人々を魅了してやまない三条特殊鋳工所。
私たちが見つけた三条特殊鋳工所の魅力をお届けします。
「今までの鋳物のイメージを覆した挑戦」
従来、鋳物とは「重くて使いづらい」ものでした。色味にバリエーションは無く、値段は重さで決められていたため、軽量で扱いやすいモノの価値が認知されていませんでした。しかし、このままでは、鋳物の文化や技術向上への意識が薄れていってしまう。そこで、今までの鋳物製精密機械部品事業から、キッチンウェア事業に乗り出します。初の自社ブランドであり、三条特殊鋳工所のキッチンウェア事業部である「SSC」と「UNILLOY」を立ち上げました。
「SSC」は、三条特殊鋳工所の概念ともいえる、極薄鋳鉄というユニーク(独特)な金属合金を使い、軽くて使いやすく高機能な調理器具ブランドで、フライパンや今回私たちが皆さまへお届けするキャセロールなどを販売しています。社名(Sanjo Special Cast)の頭文字を冠としたブランドで、世界中の料理好きに、美味しい料理を届けたいという想いのもと、「極薄鋳鉄」という唯一無二の技術を追求し続けています。
「UNILLOY」はUnique-alloy(ユニーク アロイ)からネーミングしたブランドで、極薄鋳鉄という「薄くて軽い」唯一無二の新しい価値と、山田耕民氏デザインによる、デザイン性を兼ね備えたブランドです。そんな「UNILLOY」での挑戦は、鋳物でありながらも、オシャレで普段使いしやすい「鋳物ホーロー鍋」の開発。完成まで約2年をかけ、約200回もの試作を繰り返したと言います。そして完成した、「世界一軽い鋳物ホーロー鍋」は、従来の輸入ホーロー鍋の重さの半分という圧倒的な軽さを実現しました。デザインも徹底的にこだわり、グッドデザイン賞など様々な賞を受賞。2015年には世界三大デザイン賞の一つである、レッド・ドットアワードの最高賞であるベストオブベストを受賞。鋳物ホーロー鍋の他にも、デザイン性に優れたフライパンを販売し、家庭やレストランなど様々なシーンで支持され、愛用されています。
このように、伝統の技術を引き継ぎながら、改革を行った三条特殊鋳工所。
何度失敗しても諦めずに挑戦し続け、これまでの概念を覆すような鋳物の開発に成功しました。
「町工場では珍しい、鋳造シュミレーションによる徹底した品質管理」
今までの鋳物のイメージを覆した、三条特殊鋳工所の挑戦の武器となったのは、「鋳造シュミレーション」の導入です。鋳物は、溶かした溶湯を、砂型の中に流し、固める方法で作られています。従来の製造工程の中での課題として、砂型の中で何が起こっているのかを見ることが出来ないため、複雑なデザインを実現することが難しい、完成するまで欠陥に気づくことができないという面がありました。そこで、三条特殊鋳工所は、町工場では珍しい「鋳造解析ソフト」と「シュミュレーションソフト」を導入し、砂型の中で起こっていて誰も見ることができない現象を、可視化し分析しています。経験と勘に頼ってきた鋳物づくりを、パソコン上のシミュレーションで確認しながら作業を進めているのです。例えば、UNILLOYの鋳物ホーロー鍋は、なんと薄さ2mm。それは、軽さにも直結し、三条特殊鋳工所の高い技術の結晶です。工程を管理することで、複雑なデザインや、極薄を求める中でも、安定して品質が良い鋳物を作ることに成功したのです。
働く人にインタビュー
簔口和希子さん(30代,三条出身)
新潟県三条市出身の簔口さんにインタビュー
株式会社三条特殊鋳工所 〒959‐1155 新潟県三条市福島新田丁642 TEL 0256-45-3155 FAX 0256-45-2956 月曜日〜金曜日 8:30〜12:00/13:00〜17:00(年末年始など弊社休業日を除く) HP https://www.e-santoku.co.jp/